Style of Life
コンサバトリールームを併設外に向けて開かれる
光に満ちた暮らし
風と光が抜ける家に
グリーンが活き活きと美しいサンルームやコンサバトリールーム、トップライトから光が降りるLDK。明るさに満ちた大塚邸は約1年半前に完成。
「“外にいるような開放感のある家”がテーマでした。家が暗いのは嫌なんです。エアコンもあまり好きではないし、夏でも風が通って気持ちよく過ごせる家であってほしいと思いました」。
と妻の美紀さん。広めにとった階段はトップライトから光が通り抜け、家の中で吹き抜けのような効果を生んでいる。
「朝起きて、2階のベッドルームから階段を下りてくるときも気持ちがいいんです。子供たちもよく階段に座ったりしていますね」。
大塚さんにとってこの家は2軒目。夫・桂さんの育った土地に新築することになり、1軒目の経験を活かしてプランニングしていったそう。
「床の素材だったり、スイッチの位置だったり。図面の中に住みにいってあれこれ考えました」。
植物が活き活き育つスペースを
「工事中はしょっちゅう足を運び、色々とリクエストしました。作りかけの梁をもうちょっと薄くしてほしいとか、中2階の仕切りを低くしてほしいとか。大工さんにはかなり嫌がられたと思います(笑)」。
階段の踊り場に接続する中2階は、ワークスペースや子供たちの勉強スペースとして設置。上部をオープンにしていて、ここからLDKも2階のプライベートスペースも見渡せる。
「どこにいても家族の様子が感じられる家です」。
特にこだわったのは、サンルームとコンサバトリールーム。
「サンルームは冬でも子供たちが外の感覚で遊べるリゾート、のようなイメージです。コンサバトリールームは植物だけを集められる部屋が欲しくて、当初から予定していました。家にひとりでいるときはここで本を読んで寛いでいます」。
美紀さんは以前、担当ブランドの責任者として店舗の開発や内装などを手がける仕事に従事。その経験からか、グリーンや雑貨のディスプレイも、洋書の中の世界のように美しい。
「ウェブサイトで気になるインテリアをチェックして、色んなアイデアを取り入れました」。
リビングのテレビボードの後ろの壁はブロック塀のタイルを積んでアクセントウォールに。キッチン台の下にはルーバー状に木をあしらい、面材を覆った。無機質になりがちな場所にもアイデアが施され、暖かな空気が漂っている。
建材を自ら調達
「洗濯が僕の担当なんです(笑)。天気に左右されない物干し場が欲しくて」。
夫・桂さんのこだわりはランドリールーム。2階の南側の一角にガラス張りで設けられた、日当り抜群の一室は桂さんの聖域。こだわりの洗剤(?)を揃え、ここでの作業を楽しんでいる。
「LDKや階段の床は無垢材にしましたが、洗面やランドリールームは濡れても平気でいられるように色々と考えました」。
選んだのはネットで見つけたタイルシート。タイルのように見せるためにあえて目地を入れるなど、細かなところにもこだわりが。
「ドアの乳白色のガラスにしても、工務店さんの提案するものではなく、こういう乳白色がいい、というイメージがありました。窓枠の白、サッシの黒にしてもこれじゃない、と(笑)。だから納得がいくものに出会うまで自分たちで探し回りました」。
建材を自己調達したり、DIYで塗装をしたり。楽しみながらコストダウンも実現した。
メンテナンスも楽しんで
「子供部屋は子供たちにそれぞれ好きな色を選ばせて、壁を自分たちで塗りました。以前、カナダに住んでいたことがあるのですが、向こうでは年1回くらいは家族で壁を塗り替えたりして、家に手をかけることが当たり前なんです。うちでもそんな風にしていきたいですね」。
ミッドセンチュリー好きな桂さん、ボヘミアンテイスト好きな美紀さんの好みをミックスしたインテリアは、気に入るものを見つけては、少しずつ買い足していったものだそう。そんな中で重厚なダイニングテーブルが存在感を放っている。
「ある木工作家さんの作品に出会い、フェイスブックを頼りに連絡してオーダーでつくってもらいました。届いたときの感動は忘れられなくて、今もLDKの主役だと思っています。でも、これも定期的にオイルを塗らなければいけなくて(笑)。我が家は手のかかるものばかりなのですが、そんな時間も楽しんでいきたいですね」。