Style of Life
吹き抜けを家の中心に作るあたたかな自然素材の家に
『shizen』の器が映える
煙突から煙が昇る家
神奈川県内の自然豊かな場所に建つ山小屋風の家。
人気作家の個展時には朝から行列ができる東京・神宮前のギャラリー『うつわshizen』の店主、刀根弥生さんと、ご主人の刀根淳さんの住まいは、挿花家の雨宮ゆかさんのお宅のすぐお隣。
刀根さんのお花の先生でもある雨宮さんから隣の土地が売りに出されたと聞いても、決断までは少々時間がかかったのだそう。
「素晴らしい環境だということはわかっていましたが、果たして毎日都内のお店まで通えるだろうか、と。でもいざ住んでみると体が慣れるようで、心配には及びませんでした(笑)」
都心では煙の出る薪ストーブのある生活は難しいが、周囲を緑に囲まれたここならば気兼ねなく火を囲むことができる。
アトリエブンゴのハンドメイドの薪ストーブに、淳さんが薪をくべてくれた。
釣りが趣味の淳さんにとっては釣ってきた魚を家の外で捌き、薪を割る休日がとても贅沢なひとときなのだとか。
キッチンは建築家の手作り
建築家の中村好文さんが設計した隣の雨宮邸を担当した入夏広親さんが、刀根邸の設計も請け負ってくださったのだそう。
「できるところはなるべく自分たちでやりたいという無理なお願いにおつきあいいただきました。たとえば壁の塗装はたくさんの方に協力していただきながらDIYしました」
壁材は吸湿性や消臭機能に優れたゼオライトが配合されたものを使っている。
「キッチンは入夏さんの手作りです。初めての試みだったそうです。ホームセンターで資材を買って作ってくださいました。
キッチンが完成する前に入居したので、まるで家の中でアウトドアライフを送っているような日々でした。その生活が新鮮でとても楽しかったです」
吹き抜けを囲んでひとつにまとまる家
木造2階建ての刀根宅は、リビングが2階までの大きな吹き抜けになっている。2階には和室と寝室の2部屋があるが、吹き抜けに面した大きな室内窓があるので見通しがよく、家全体が大きなワンルームのような設え。
冬は薪ストーブの暖かさが家全体に広がり、夏は風通しがよく快適に過ごすことができる。
「ホームセンターで材料を買って庭に柵を作りました。暖かくなったら、庭造りを楽しみたいと思っています」