Style of Life

葉山の自然に溶け込む光と風が通り抜ける
別荘ライクな山沿いの家

葉山の自然に溶け込む  光と風が通り抜ける 別荘ライクな山沿いの家

絶好のロケーションに立地

「家まで続く石畳の階段を上がるところから、ワクワクしてくるのを感じました。玄関を入った瞬間、“もう、ここに決めた!”と思いましたね」と笑う、小物デザイナーの溝江里映さん。
葉山の賃貸の戸建てから、同じく葉山の山の中腹に建つ一軒家へ。1〜2年かけて探し、理想の中古物件に出会った。
「窓の向こうに広がる街や山の景色に、毎日癒されています」。
山の傾斜に沿って建つ家は、玄関レベルからスキップフロアで上がったところにLDK、降りたフロアに溝江さんの作品を展示したギャラリーや、ベッドルームなどが。光を取り込むかのように、どの方角にも開口が設けられ、その向こうに広がる景色は、自然と一体になれる感覚を与えてくれる。

吹き抜けのあるリビング。別荘風の開放感のある造り。
吹き抜けのあるリビング。別荘風の開放感のある造り。
キッチン台に腰壁が設けられた、アイランドキッチン。無垢のメープル材を使ったダイニングテーブルは、岐阜の「RITON」に出向いてオーダーしたもの。
キッチン台に腰壁が設けられた、アイランドキッチン。無垢のメープル材を使ったダイニングテーブルは、岐阜の「RITON」に出向いてオーダーしたもの。
LDKの洗面からバルコニー側を眺める。開口がたくさん設けられ、どこにいても外とのつながりが感じられる。
LDKの洗面からバルコニー側を眺める。開口がたくさん設けられ、どこにいても外とのつながりが感じられる。
玄関を入ると現れる風景。向かいの山へと抜けるよう。 
玄関を入ると現れる風景。向かいの山へと抜けるよう。 
家の前の小径。緑いっぱいの階段を登って辿り着く。
家の前の小径。緑いっぱいの階段を登って辿り着く。

住み継がれた家をDIYで

「これまでに何組か家主が代わり、少しずつ手が加えられてきたようなんです」。
ロフトのある別荘のような雰囲気の築40年程の家。住み継がれた家に、さらにDIYでアレンジを施した。
「白い家にしたかったので、床や壁を塗装しました。白は作品が映える色なんです。でも、ただまっ白にするだけではなくて、オフホワイトやベージュなど、グラデーションをつけています」。
キッチンカウンターも白く塗装。シンプルな空間に、窓の外の庭の緑や、溝江さんが選んだ器や雑貨が映える。
「リビングでは家族がいつもゆったりと寛いでいます。夜、バルコニーに出ると星空がきれいで、天体観測も楽しめますよ」。
正面には緑の深い山。その上には抜けるような空が広がっている。

キッチンに立つ溝江さん。器などは「アンティークの雰囲気のある作家もの」を集めている。インスタグラムで自然に寄り添う葉山での暮らしを紹介。
キッチンに立つ溝江さん。器などは「アンティークの雰囲気のある作家もの」を集めている。インスタグラムで自然に寄り添う葉山での暮らしを紹介。
仕切りのない空間が開放的。白のグラデーションが陰影を与える。
仕切りのない空間が開放的。白のグラデーションが陰影を与える。
ロフト部分は吹き抜けに。
ロフト部分は吹き抜けに。
光が四方から取り込まれ、どこにいても明るい。
光が四方から取り込まれ、どこにいても明るい。
お気に入りのコーナー。Yチェアにゆっくり腰かける時間も楽しみ。
お気に入りのコーナー。Yチェアにゆっくり腰かける時間も楽しみ。
チャーチチェアなど、1脚1脚違うイスが味わいを出している。
チャーチチェアなど、1脚1脚違うイスが味わいを出している。

光が差し込むギャラリー

リビングに隣接した部屋は、床の一部が抜かれており、下のギャラリーまで吹き抜けになっている。
「もともとこうなっていたのですが、ギャラリーに光が届けられるのが良かったです。お茶を嗜んでいるので、いずれは床を設けて畳を敷き、茶室にするのもいいかなと思っています」。
はしごを上がるとロフトへ。そこには眺めのいい小さな空間が用意されている。
「ロフトでは本を読んだりお昼寝をしたり。下にいる家族の様子を感じながら、ひとりの時間をゆっくり楽しむことができますね」。

床板がはずされているリビング横の部屋。アンティーク雑貨やアーティストの作品をあしらって。
床板がはずされているリビング横の部屋。アンティーク雑貨やアーティストの作品をあしらって。
上からもギャラリーを楽しむことができる。
上からもギャラリーを楽しむことができる。
はしごを上がって秘密基地のようなロフトへ。
はしごを上がって秘密基地のようなロフトへ。
ひとりの時間を過ごせるロフト。好きな作家の本などを。
ひとりの時間を過ごせるロフト。好きな作家の本などを。
ロフトからの眺め。色々な居場所が用意されている。
ロフトからの眺め。色々な居場所が用意されている。

自分の表現をカタチに

溝江さんの作品を集めたギャラリーは、白い空間にアンティークの家具や雑貨が彩りを添えている。
「リビングなどがリラックスする場なのに対して、ここは自分の頭の中を表現する場なんです。空間のアレンジにもこだわりました」。
枯れ木を使ったオブジェなど、ひとつひとつが絵になる美しさ。
「どの部屋もDIYで塗装したりして、自分たちで手を加えましたが、洗面所だけはリフォームをお願いしました。いちばん自分をリセットしたい場所なので、特にこだわりたかったんです」。
白を基調にしたシンプルな空間の中で、照明やドアの取っ手などには真鍮をアレンジ。さり気ないこだわりが隠されている。
「ステイホームになる以前から家にいる時間は長いのですが(笑)、旅行に行くよりリラックスすることができます。好きなものに囲まれて、仕事もプライベートも満たされていますね」。

パリのエスプリを感じさせる溝江さんのギャラリー。オリジナルベアの制作の他、雑貨プロデュース、セミ量産型のプロダクト品などの開発を行う。2001年Ananö設立。
パリのエスプリを感じさせる溝江さんのギャラリー。オリジナルベアの制作の他、雑貨プロデュース、セミ量産型のプロダクト品などの開発を行う。2001年Ananö設立。
大切な小物をディスプレイ。繊細で美しい作品の世界観を表現。
大切な小物をディスプレイ。繊細で美しい作品の世界観を表現。
手作りのオリジナルベアは、年1回程、個展などで新作を発表。フランスでも展示会を行っていた。
手作りのオリジナルベアは、年1回程、個展などで新作を発表。フランスでも展示会を行っていた。
隣家の庭が借景になるベッドルーム。壁はすべて白く塗装した。
隣家の庭が借景になるベッドルーム。壁はすべて白く塗装した。
取っ手やタオルかけに真鍮を使用。イタリアのエスプリを感じさせる洗面台はサンワカンパニー。 
取っ手やタオルかけに真鍮を使用。イタリアのエスプリを感じさせる洗面台はサンワカンパニー。 
古い洋館にあるような洗面所のキャビネット。日常的に使用するグッズを収めている。
古い洋館にあるような洗面所のキャビネット。日常的に使用するグッズを収めている。
真鍮にこだわり、「TAiGA Lamp」でオーダーして作ってもらったブラケット。
真鍮にこだわり、「TAiGA Lamp」でオーダーして作ってもらったブラケット。
庭で育てたレモングラスで冷たいお茶を。ガーデニングも楽しんでいる。
庭で育てたレモングラスで冷たいお茶を。ガーデニングも楽しんでいる。
木漏れ日のさす庭で長男・樹輝くんと。爽やかな空気が流れる。
木漏れ日のさす庭で長男・樹輝くんと。爽やかな空気が流れる。 
表札も真鍮で。字体にこだわり作成。
表札も真鍮で。字体にこだわり作成。