Style of Life
夫婦ふたりの充実した生活空間 パッシブデザインにこだわった
心地よい空間で豊かな日々を過ごす
人が集まる楽しい家
海と山に囲まれた自然豊かな大磯に住宅を構えて、約2年。グラフィックデザイナーの西田友美さんと農家を営むご主人が暮らすこの家は、これから2人で生活していく上で、人が集まるような空間で楽しい時間を過ごしたいという思いによって生まれた。
「いつかは自分たちの家を持ちたいという夢をずっと持ち続けていたのですが、夢で終わらせるのではなく、ちゃんと実現させようと思い、土地探しから始めました」と話す西田さん。しかし、今の土地に出会うまでには紆余曲折があったという。
「当初は職場の都合上、都内で土地を探していたのですが、どうしても条件の合う良い土地と出会うことができませんでした。そこで一度仕切り直して、主人も私も神奈川県出身ということもあり、神奈川県を中心にして探し始めたところ、出会ったのが大磯でした。かつては別荘地だったこともあり、自然も豊かで、時間の流れがゆっくりしているように感じたことが決め手となりました」と西田さんは振り返る。
パッシブデザインにこだわった心地のよい空間づくり
吹き抜けの階段ホールから2階へ上がると、明るく開放的なLDKが広がっている。
「依頼した建築士の方はパッシブデザインにこだわった設計をしていて、採光や風の抜ける心地よさをとことん追求してくれました。また、経年変化も楽しめるような素材感も大切にしたいという思いがあったのですが、そうした気持ちも全部詰め込んだ設計を提案してくれました」と西田さん。
西田さんご夫妻の希望と建築士の考え方がマッチしたことで生まれたこの居心地のよい空間には、以前の住まいから引き継いだという、ご夫妻こだわりのアンティーク家具が配置されている。
「新築であっても、全部が新しいものだけの家は嫌だったんです。新しいものと古いものが並ぶことで、両方の良さが引き立つんじゃないかなと思っています。そういう意味でも素材感を大切にしたかったんです。椅子や棚など家具を購入する際は、いつも主人と話し合って決めています」(西田さん)。
楽しみながら、住まいを育てていく
夫婦2人での充実した暮らしとともに、人との交流も楽しめるような住まいを目指し、実現させた西田さんご夫妻。
「空間の心地よさはもちろん、お互いの生活リズムにあわせた間取りになっていて、都内に住んでいた頃と比べて、本当にストレスを感じずに過ごすことができています。家にいる時間が長い主人も、この家での生活を気に入っているようです」(西田さん)。
ご主人は約10年前に農家として独立。無農薬にこだわり、農地を耕すところから、収穫、配達まで、すべて1人で行なっているという。「家のことについては、農作業に追われて、まだ自分のやりたいことに手をつけられていないと主人は言っていました。私自身も庭をウッドデッキにしてみたいなど、まだまだやりたいことがあります。家づくりは完成がゴールではなく、暮らしながら育てていくものだと思っているので、これから先も夫婦で楽しみながら家づくりをしていきたいです」と微笑む西田さん。その笑顔が、何よりもこの住まいでの豊かな暮らしぶりを物語っていた。