Renovation
自分好みにリノベーションスケルトンリフォームで、
楽しさ一杯の住まいをつくる
中古住宅との出会い
高石さんの家が建つのは、閑静な住宅街の一画。周囲の落ち着いた家並みに調和するベージュの外壁の建物だ。「この家は、もともと1Kのアパート1室を併設した2DKの家として建てられたものの、実際はあまり住まれることのないまま売りに出されたようです」と話す高石さん。
もともとインテリアや建築に関心が深く、中古住宅のリノベーションにも興味があったという高石さん。築22年の家を最初に見に来た時は、外壁にツタがびっしりと絡み、中も荒れていたという。「でもヘーベルハウスの住宅だったので、躯体はしっかりしているし、リフォームもしやすいだろうとリノベーションを決意しました」。
敷地を読み解き、間取りを変更
リノベーションにあたってまず着手したのは、外壁のツタを取り除くこと。「休日に通って作業したので、1カ月ほどかかりました。夏だったこともあって、結構大変でしたね(笑)」。ツタを取った後は、旭化成リフォームに依頼して防水塗装を施し、屋上には太陽光発電の装置も載せた。
内装に関しては、躯体のみを残してすべて撤去し、間取りも全面的に見直した。「もともとエアコンが好きではないこともあって、できるだけ自然環境と調和した家にしたいと思いました」と話す高石さん。「プランのベースとしては、南北に大きな開口部を設けて通風をよくし、生産緑地に面した北側の明るさを取り入れました」。
1階は、リフォーム前とは位置を変更したキッチンを中心に、ダイニングとリビングがゆるやかにつながる間取り。大きなテーブルが置かれた開放感あふれるダイニングとそれに続くキッチンは、もともとは1Kのアパートだったスペースだ。「新たに吹き抜けを設け、縦に広がりのある空間にしました」。
みんなで料理を楽しむキッチン
ダイニングと並んで、高石さんの家の主役といえるのが、濃いブルーのタイルが貼られたキッチン。カウンターが設けられているので、料理をつくりながらお客様との会話を楽しむことができる。「友人たちが集まって料理することも多いので、基本はオープンキッチンに。けれどもキッチンとしての独立性もある程度はもたせたかったので、下がり壁をつけました」。
ユニークなのが、キッチンの背後に設けられた食器棚。もともとは窓があった場所に棚をつくり、障子の扉をつけた。障子はやわらかに光を通すため、閉めているときでも圧迫感を感じることがない。「光が入る窓はつぶしたくなかったので、棚をつくることにしたんです」。
居心地のいい空間づくり
キッチンカウンターを挟み、西側にあるリビングは、天井や間仕切りの格子などに木がふんだんに使われており、落ち着いた雰囲気。TRUCKのソファやアンティークのテーブルが配されたリビングは、居心地の良い空間になった。
この家に引っ越してくるまでは、賃貸アパートに暮らしていた高石さん。戸建てに暮らすようになっての変化として、庭の良さを感じるようになったことを挙げた。「雑草取りは大変ですが、室内から緑が見えるのはいいですね」。そして、もうひとつの変化が、料理をするようになったことだとか。「立派なキッチンがあるので、自分で料理をするのが楽しくなりました」。
リノベーションの可能性
「リノベーションにあたっては、友人たちが集まれること、そしていろんな場所で和める家にしたいと思いました」と話す高石さん。「日によって、気分によって楽しめる家がいいなと思い、各所に佇める場所をつくっていきました」。そうしてつくりあげられた空間には、これまで高石さんが大切にしてきた家具やアートが配され、心地良さを一層高めている。
リノベーションにより、それまでとはまったく異なる住まいに生まれ変わった高石さんの家。楽しく心地良い空間は、中古住宅のリフォームの可能性を教えてくれる。