Architecture
鉄骨造が叶えた大胆プラン吹き抜けの大空間に
個室が浮かぶ家
南に開けた大きな高窓から光を取り込む
奥様が育った目黒区内の土地に新築した3階建てのお宅。
建て替えにあたり、いかに光を家全体に取り込むかが一番のポイントだったそう。
「南側にお隣の建物が迫って建っているので、以前の家は特に1階が暗かったです」と奥様。
南側の高い位置に大きな窓を作り、そこからの光を家全体に回すことにした。
この家を設計した稲山貴則さんと、施主は、同じ大学の建築学科の同級生。
「私が勤める会社では、病院や学校、工場、事務所などの建物の設計が中心です。住宅の設計は専門性が高いので、住まいの設計は気心の知れた住宅の専門家、稲山くんにお願いしたいと思っていました」
鉄骨造で実現した大胆なプラン
柱の必要な木造ではできない、鉄骨造だからこそ可能な気持ちの良い大空間が実現した。
「地盤の強度にも不安があったこと、そして鉄骨造は木造にはできない思い切ったことができる楽しみもありました。箱を吊り下げて3階を作る、私の想像を超えるプランを考えてくれました」とご主人。
奥様は、子どもたちがリビングを通って子ども部屋に行く動線にしてほしいとリクエスト。
「親が泊まっていくこともありますし、また将来的に同居ができるように、1階に客間を作っていただきました」
居場所がたくさんある家
「大きな吹き抜けは、家に居ながら開放感があります。1階から2階へ上がる階段、そして3階からロフトへ上がる浮遊感のある階段と、視線が移り変わり、ひとつの家で様々な風景を楽しめます。
コロナで外出できない期間がありましたが、ストレスなく過ごすことができました」
そして、家族が家の中で別々のことをしていても、一体感が感じられるのだそう。
「奥の勉強机で長男が勉強し、手前のデスクでリモートワーク、キッチンで食事の準備をし、長女はリビングのソファで遊ぶなど、2階だけでもそれぞれの居場所がたくさんあるのも良かったと思います」
K邸
設計 稲山貴則建築設計事務所
所在地 東京都目黒区
構造 鉄骨造
規模 地上3階
延床面積 103.89㎡