Green
葉山の自然を愉しむ屋根より高い樹々と
ともに暮らす家
気分転換ができる家を造る
小林直樹、真理子夫妻宅の敷地内の、屋根よりも高くこんもりと繁った樹々。その横には、葉山御用邸へと続く小さな小川が流れる。
広告のクリエイティブ・ディレクターの直樹さんも、デザイナーの真理子さんも、普段はとても忙しい日々を送っている。そんなふたりが造りたかったのは、しっかりと気分転換ができる海の近くの家。いくつも湘南の物件を見て回った上でここに決めたのは、最も緑が豊かな場所だったからだそう。
「住宅地とこことで迷ったのですが、湘南の暮らしに慣れるにつれてもっと奥まった場所に引っ越したくなるんじゃないかと。ならば最初から自然いっぱいの土地に住もうと決意しました」
葉山に越して約半年。樹木の整備はこれからだ。
「小川を利用してビオトープを作るのもいいかもしれませんね」と直樹さん。デッキに出したちゃぶ台でお茶を飲みながら緑を眺め、あれこれ思案する時間がとても楽しいそうだ。
「以前に住んでいたマンションでは10年間咲かなかったゴクラクチョウカが、ここに越した途端、花を咲かせました。ここの環境が気に入ったようです」。春になったら地植えする予定だ。
リビングの一角に、キューブ型の木の箱を6つ並べたユニークなコーナーがある。
「雑誌で見ておもしろいなと思い、真似したくなりました。Photoshopで設計図を描き、建築家の方にお渡ししました」と真理子さん。
手前のキューブにはキャスターがついていて、自由に動かせる。キューブは収納家具にもなっていて、来客用の寝具などもここに入れてある。
「ブラインドを閉めて中に籠もると、とても落ち着きます」
2階はプライベートな空間に
2階はプライベートな空間にしたかったとのこと。直樹さんの個室の隣に、真理子さんの仕事部屋が並ぶ。壁の色はブルーとイエローと、それぞれのお気に入りの色に。2階の床材は足場板がメイン。白を重ねて、軽やかなイメージになっている。
板張りのスクエアな外観の小林宅は、エンジョイワークスの『スケルトンハウス』。
「キューブ型の外観のおもしろさを生かしたくて、ルーフバルコニーの手摺りは外から見えないように低くしました。手摺りがちょうど座れる高さになったし、いいアイディアだったと思います。夜、外から家を眺めた時、個室と寝室の3部屋の照明がそれぞれ個性が立っていて、それも気に入っています」