Hobby
緑の中の、オトコの秘密基地プライベートジムと
ツリーハウスのある夢の空間
都内でフィットネスジムを経営しながら、生まれ故郷でもある湘南にこの家を建てたのが3年半前。家を建てる場所には、あえて森を背負った傾斜地を選んだという。
「平らに造成した土地よりも、自然との距離が近いのが傾斜地の魅力です。近隣との距離もほどよく保たれますし、なにより常に森の中で生活している感覚がとても心地がいいんです」
傾斜地を造成すれば四角い家を建てることも可能だったけれど、なるべく森を生かすために台形の家にすることを選択。
「ふたつの祠が置かれた樹があったのですが、もちろんその樹は切らずに家の中に取り込みました。野生のリスが走り回るそのご神木を見ながらトレーニングをし、樹を見ながら風呂でリラックスすると、不思議とエネルギーがカラダに満ちてくるんです」
森を存分に楽しむツリーハウス。
藤井さん宅から海まで自転車で1分。山と山に挟まれた稲村ケ崎は、海からの気持ちいい風が通り抜ける最高のロケーション。
そんな素晴らしい場所ならではのお楽しみが、このツリーハウスだ。夏は窓とトップライトを開放し、星と森の息吹を間近に感じられる場所に。冬はストーブに薪をくべて、心地の良いヒーリングスポットになる。
「友達が遊びに来た時はここに泊まってもらったりもします。電気の照明もありますが、夜はキャンドルを灯すと最高なんです」
藤井さん宅の敷地面積は550坪。現在はまだその一部しか使われておらず、大半は手付かずの森のまま。
「ゆくゆくは森の中にツリーハウスを増やしたいと思っています。ツリーハウス同士をつないで、自然の中でアスレティック・トレーニングができるようにもしたいと考えています」
藤井さんが本格的にスノーボードに取り組んでいた頃、カナダのウィスラーに4年半住んでいたそうだ。その時にアウトドアスポーツを楽しむ人や、トレーニングの中に積極的に自然を取り入れる方法を見て、いつかは実現したいとの思いがあってこの家を建てたのだそうだ。
玄関ドアを開けるとすぐに男の遊び場空間に。
天井高9メートルの抜け感が気持ちいいエントランスラウンジには、サーフボードの上に立ったまま乗りオールを使ってパドルするスタンドアップパドルボードや自転車など、藤井さんお気に入りの遊び道具がたくさん飾られている。キャットウォークからハンモックが吊るされ、夜には300インチのプロジェクターで仲間とサーフィンの映像を楽しめる。
この家の設計は、藤沢在住の建築家、山内真人さん。
「傾斜地の設計を得意とされている方でしたし、お話をするとお互いのバイブスがピッタリ合いました。僕が山内さんに伝えたのは、デザイナーのチャールズ・イームズの自邸のような、森の中にあって生きる建物にしたいということ、トレーニングジムとプライベートなスペースが違和感なく両立することということだけでしたが、実際に3年半暮らしてみて、その居心地のよさに驚いています。あまりの気持ちよさに、ほとんど東京に帰らなくなったほどです(笑)」
建てた当初は、鎌倉と都内との生活が半々になると思っていたので、ここはコンパクトかつワガママを叶えた別宅として考えていたのだそうだ。
「たとえばソファとか書斎のイスとか、普通の家だちくつろげる場所や長い時間いる場所が限られてくるものですが、この家はどこにいても心地がいいんです。吹き抜けのあるエントランス、ツリーハウス、2階のリビング、バスルーム、ジム……、そのどこからでも緑が見えるのが、居心地の良さのポイントなのかもしれません」
美しい空間で、美しいカラダを作る。
天井が高く開放感のあるプライベートジム『ROCK★STEADY★GYM 鎌倉』には、イタリアTechnogym社製のレアな高級マシンがフル装備されている。ダンベルやバランスボールなどの小物までTechnogym社製で揃えられている。ここは、各界の著名人が藤井さんにプライベートレッスンを受ける為にお忍びで通う秘密のスペースでもある。
「テクノジム社の「キネシス」をここに設置するために、壁も特別に強度を上げてもらいました。高級感のあるブラウンレザーの質感がとても気に入っています」
ご神木を眺めながらバスタイムを。
建物の横に、諏訪神社と那智権現の祠がある。そこから生えている樹は、藤井さん宅のバスルームを貫き、屋根の上で葉を茂らせている。そのご神木を眺めながら風呂に入れるように、幹を囲むようにガラス張りの窓を作ったそうだ。
「2つの祠があるのも、この土地を購入した決め手になりました。パワースポットでトレーニングをして、風呂に入れるなんて最高じゃないですか」
ちなみに那智権現は那智の滝を神体として祭られている。滝のように水が流れるハンズグローエ社の洗面所の水栓から、那智の滝に思いを馳せる。
日用品や普段使わない遊び道具は、半地下の収納スペースに収められている。
「ツリーハウスも増やしたいですし、もう1軒、ガレージと家を建てたいとも思っています。ツリーハウスは、機会があればツリーハウスビルダーの小林崇さんにお願いしたいとも……。ここ鎌倉をベースにどんなことをして楽しもうか、日々考えながら過ごしています」