Outdoor
ビーチから3軒目の家開放感のある家に
自然と人が集まる
1階はみんなで使えるライブラリー
ビーチから数えて3軒目の片山邸。潮騒が聞こえる気持ちのいいお宅だ。
徹さんは逗子出身。2年前に生まれ育った町に戻ってきた。朝起きたらすぐに2階の窓から見えるお気に入りのサーフポイントの波をチェックする、そんな朝の行動がすっかり習慣になった。
家の前の道は、サーファーや海に行く子どもたちの通り道だ。片山邸は、通りに面して1階を大きく開け放っている。
「外から立ち寄りやすい家を作りたいと思っていました。ブラジルの友人宅の造りが理想的だったので、建築士に写真を見ていただきました。家に居ながら、前の道を通る地元のサーフィン仲間にも声をかけやすいんです。波の情報交換もしやすい(笑)」
通りに面した開放的な1階は、壁に本棚が設えてある。
「1階は、図書館のような共有の勉強スペースをイメージして作りました。我が家ではライブラリーと呼んでいます。英会話教室を開いているので、近くの子どもたちもここに集まります」と未保子さん。
空間をゆるやかにつなぐスキップフロア
家の中に入ると、2階の天井までの吹き抜けが気持ちいい。木造だけれど壁のない大空間を、スキップフロアで軽やかにつないでいる。
キッチンとリビングの間は6段の階段。その階段は、イス代わりになったり、時にテーブルになったりと、生活のシーンに合わせて様々に用途が変化する。
「階段の途中に踊り場のようなスペースを作っていただいたのですが、たとえば作りかけのジグソーパズルの置き場所になったりと、いろいろな使い方ができてとても便利です」と徹さん。
未保子さんは、スキップフロアならではの眺めがお気に入りなのだとか。
「キッチンから、1階も2階も、外の眺めも見ることができます。斜め上を見上げると夫がくつろぐリビング、斜め下は子どもたちが集まるライブラリーと、ひと目で家にいる人の様子を見ることができます」
夫婦でブレインストーミング
学生時代に都市計画を専攻していた徹さん。学んだことを思い出しながら、家を建てる前にブレインストーミングを行ったそう。家に望むことをポストイットに書き込み(徹さんの希望は黄色、未保子さんはピンク)、大きな模造紙に貼りながら考えを整理していった。
シーカヤック置き場を作る、掃除しやすいといった具体的な希望から、“家族が自然と集まるリビング” “居心地のいい外空間” “外から人が集まる家” “成長できる環境” “機能的な家”と、夫婦が住まいで実現させたいことを導きだした。
「この作業にすごく時間をかけました。設計をお願いした『オンデザイン』さんとの初回の打ち合わせにも持参しました。コンセプトをしっかり伝えることができたので作って良かったです」