Outdoor
暮らしの達人のライフスタイル旅するように暮らしたい
至福のプチプロヴァンス
白い箱をデコレーション
生まれ育った都心にある家を、3年程前に建て替えたWAKOさん。
「どうしたら楽しく過ごせるかということをいちばんに考えて、希望を設計士さんに伝えました」。
こだわったのは生活動線を考えた間取りと、床のタイルに壁の素材。細かなところは余白を残し、瀟洒な白い箱が完成した。
「初めはキッチンやバスルームなど、必要なもの以外何もない空間でした。暮らしながら2年くらいかけて完成してきた感じです」。
必要な棚やディスプレイスペースなどは、実際に住んでみながら、欲しいものを設置してひとつずつクリア。シアトル、中国、ボリビアなど、世界各地に暮らした経験が育んだ感性が白い箱を彩っていった。
動線を考えて快適に
「快適な暮らしを考えたとき、私の場合まず自分の生活まわりを完結させたいと思いました。そこで1階に自分のベッドルームとバスルーム、2階に子供たちの部屋とバスルームをそれぞれ設けました」。
家族共用の玄関と接続する形で、WAKOさん専用の玄関もベッドルームに設け、クローゼットで身支度を整えたらそのまま外出できるスタイルに。クローゼットも両サイドから出入りできるなど、動きやすさを確保している。
「自分の生活まわりを一体化させることで、ストレスが減りましたね(笑)。子供たちもお掃除など、自分のことは自分でする習慣を身につけてくれています」
アメリカ製のクイーンサイズのベッドは、毎朝ベッドメイクを欠かさない。
「そうすることで心地よくいられるんです。毎日の習慣にしてしまえばそんなに苦にも感じません。使ったら必ず片付けることを心がけているので、逆にお掃除も楽ですよ」。
家の中に景色をつくる
「20代前半はアメリカで暮らし、日常生活にキャンドルを欠かさないことなど、生活を楽しむことを知りました」。
というWAKOさんが望んだのは、テラスでゆったり時間を過ごすこと。
「プロバンスの静かな時間の流れ方が好きなんです。緑に囲まれたテラスを設けることも、当初からの希望でした」。
大きなガラスの引き戸は壁面にすべて内蔵することができ、開け放てばリビングとテラスが一体に。オリーブやユーカリの緑、ミモザの黄色が鮮やかに目に飛び込んでくる。
「あちこち旅をしてきて、最近は旅先では暮らすように過ごしたい、でも家の中では旅をするように暮らしたい、と思うようになりました。どこを見てもいいなと思えるように、家の中に景色をつくっておきたいですね」。
海外から輸入した家具や、旅先で見つけた雑貨、小物などでコーディネートされた室内は、洋雑誌の世界のよう。
「30代になったとき、やっぱり私が好きなのはヨーロッパだなと気づいたんです。白、ベージュ、グレーをテーマカラーにまとめるのが落ち着きますね」。
キッチンを中心に家族が集う
テラスで育てたローズマリーを料理に使ったり、ミントでゼリーを作ったり。料理することと食べることが大好きで、いちばん長く時間を過ごすキッチンは、特にこだわった場所。
「家の中心なのでオープンにしておきたいと思いました。広いスペースを確保したので、シンクは2カ所つけましたが、1カ所は食器洗い、もう1カ所は野菜洗いにと使い分けられて便利です」。
家族との食事も、ビュッフェ式のパーティーのときも、カウンターキッチンが役立つそう。
「作りながら食べるのでカウンターは重宝しています。外食はほとんどせず、家でちゃんとテーブルセッティングをしていただくのが、子供たちも好きですね」。
仕事をしながら3人のお子さんを育てるWAKOさん。夕方16時頃から調理にかかり、手の空いた時間にテラスでワインなどを飲みながら、お子さんたちの帰りを待つ時間がいちばん好きなのだとか。
「どこかに行っても、やっぱりうちがいちばんいいな、と思いますね。好きな風景に囲まれて、どこよりも居心地がいいんです」。