Column
roaster-2-茶の世界を堪能する
souen 櫻井焙茶研究所
最近は「サードウェーブコーヒー」がなにかと話題だが、お茶の世界もまた新たな潮流が生まれている。今回紹介するのは、日本各地から集められたお茶やオリジナルのブレンド茶、店内でローストした茶を提供するsouen 櫻井焙茶研究所。お茶の価値観を広げ、進化させていく、その奥深い世界を紹介する。
茶の新しい愉しみ方
日本の四季折々の豊かさを取り入れた「茶」。その世界を多くの人に堪能してもらいたいと、新しいお茶の概念を提案するsouen 櫻井焙茶研究所が昨年12月西麻布にオープンした。お茶の“ブレンド”と“ロースト”を基本としたこちらの店舗の所長・櫻井真也さんは長らくHIGASHIYAにて茶と和菓子の世界に携わり、マネージャーとして活躍していた人物。 “茶”というキーワードを自分なりの表現で、もっと多くの人に身近に親しんでもらえるきっかけになればという思いで、このsouen 櫻井焙茶研究所をオープンさせたという。こちらでは櫻井さんが実際に足を運んで見つけてきた日本各地のお茶をはじめ、店頭でブレンドしたオリジナル茶も用意している。また茶葉の購入だけでなく、焙煎したばかりのお茶を試飲し、1杯からテイクアウトすることも可能。また奥には8席の茶房が併設されており、ゆっくり腰を据えてお茶の時間を過ごすことができる。連れ添う人や、時間帯などその時々のシチュエーションにあった楽しみ方ができそうだ。
souen 櫻井焙茶研究所のお茶
「茶は養生の仙薬なり」という言葉がある通り、茶はカフェイン、タンニンのほかビタミンAなどの栄養成分を豊富に含んでおり、健康と長寿の源とされている。こちらでは、「いつもはあまり日本茶を飲まない」という茶離れしてしまった人にも親しんでもらえるよう、好みを聞いて、オリジナルの茶を調合してくれるので、きっとお気に入りに出会えるはずだ。焙煎方法・時間によって、まったく味が変わるという茶葉。店内にある焙煎機からは、いつも香ばしい香りが漂う。販売用は常時約20種類、試飲も同じ数だけ楽しむことができる。日本各地の茶以外にも、りんごやごぼう、生姜など季節の素材をフリーズドライし、ブレンドした茶も販売しており、季節を感じられるラインナップとなっている。「飲んで美味しい」と味覚で楽しむだけでなく、旬の素材から与えられるパワーや、疲れを癒してくれる効能を感じられそうだ。
茶房で味わうお茶とお酒と甘味
奥の茶房は全8席。日本茶アワードを受賞した茶のほか、玉露や手揉み茶など高級なものまで幅広く用意されており、季節の生菓子や栗ようかんなどを選び、お茶やお酒と一緒に楽しむことができる。また、玉露、ブレンド茶、焙じ茶、お薄、和菓子がそろったお茶のコース(3,800円)や、栗おこわが付いたお食事のコース(4,200円)もラインナップ。その他、焙じ茶ラムや煎り番茶ウィスキーなどお茶とお酒と融合したメニューも提供している。平日は夜11時までオープンしているので、バーとしても使える茶房。非日常的な茶の空間を楽しめるはずだ。
東京都港区西麻布3-16-28 ル・ベイン1階
03-5786-0024
11時〜午後7時まで(茶房は平日午後11時まで営業)
月曜定休