Design
la kagu -1-衣食住+知のショップ
神楽坂 la kagu
10月10日にオープンしたla kagu(ラカグ)。新潮社が昭和40年代に建てた本の倉庫を、隈研吾建築設計事務所がリノベーションした建物に衣食住知のアイテムが揃うキュレーションストアだ。今月は、神楽坂の新たなランドマークとして船出したla kaguの魅力を前編・後編に分けて紹介する。
la kaguオリジナルのアイテムにも注目。フランス人アートディレクター、ローラン・グナシア氏デザインによる宮脇賣扇庵の扇子は鮮やかなマゼンタ色が印象的な一本。大柄な体躯の人も満足して使える大きいサイズが特徴で、花柳界の名残を残す、神楽坂の土地を象徴するようなアイテムとなっている。la kaguのアートディレクターを務める平林奈緒美氏と、生活雑貨のキュレーションを行う岡尾美代子氏がデザインした傘は、SHED RAINの別注モデル。折り畳みでありながら、骨太で丈夫な構造が強風にも強い実用的な傘として人気のブランドだ。束見本をイメージしたオリジナルのノートは使い勝手のよい4サイズが用意されている。本の倉庫だった建物の背景を感じられるアイテムとしてこちらも人気が高い。
素材の美味しさを楽しめるカフェ
朝8時から営業するla kaguのカフェは、鎌倉「カフェ ヴィヴモンディ モンシュ」が直火式マシンで焙煎した豆を使ったコーヒーを提供している。コーヒー、カフェオレ、カプチーノ、それぞれ豆の美味しさを感じられる一杯は店内だけでなく、テイクアウトも可能。フードは、鎌倉由比ガ浜のデリカテッセン「LONG TRACK FOODS」馬詰佳香氏が監修を行う。「気取らない、でも美味しい」をテーマにホームメイドにこだわったメニューが揃っている。朝は朝食が2種類、昼はソーセージ4種、トッピング3種の中から選ぶホットドッグのランチセットが楽しめる。夜は、パイント・グラスで提供されるビール片手にソーセージを味わうなど、一日を通し様々なシチュエーションで利用できる幅の広さが魅力だ。店内は大テーブル二つとソファー席、カウンターテーブル席の全50席。Wifiも完備されており、座り心地のいい椅子に腰を据えて、思い思いの時間を過ごすことができる。
暮らしの中に息づく“本当にいいもの”
スタイリスト・岡尾美代子氏がキュレーションを務めた、生活雑貨のスペースにはデイリーに使える“本当にいいもの”が並ぶ。ヨーロッパ各地で買い付けたグラスや食器、日本の陶磁器や道具が集まる空間だ。使い込むごとに味わいが増していく開化堂の茶筒や、シンプルで飽きのこない白のスリップウェアなど、長く大切にしたいアイテムが揃う。また、普段の生活では、何気なく選びがちなブラシも、様々なサイズで豊富に用意されているのが印象的。長く使うことを前提に、手入れするアイテムにもその審美眼が光るアイテムセレクトだ。