Design
la kagu -2- 知的好奇心を満たす
ライフスタイルストア
衣食住+知をテーマにしたライフスタイルストア“lakagu”。後編は、レディースウェアのスペースと、2階に広がるメンズフロア、家具、レクチャースペースsokoに注目。生活にまつわるあらゆるアイテムをREVALUEし、人々の知的好奇心をくすぐる施設の魅力を紹介。
la kaguが提案する衣
1階で展開するウィメンズウェアをセレクトするのは、バイヤーの安藤桃代氏。Acne studioやMaison Martin Margiela、MADISON BLUEなど、国内外問わず、上質で、長く着られるアイテムを幅広く揃える。元「WHEREABOUTS(ウェアラバウツ)」デザイナー・福園英貴氏が手がけるブランド「nails(ネイル)」も展開。こちらは、メンズウェアで学んだテーラー技術をウィメンズに落とし込み、着たときの美しいシルエットと着心地の良さの両方が叶う注目のブランドだ。また、服やシューズ、バッグなどと合わせて、ブックディレクター・幅允孝氏がセレクトしたファッションにまつわる本が並ぶのも印象的。衣と知が融合したディスプレイは、lakaguならでは。普段とは違った視点で、服や本と出合えそうだ。
2階のメンズウェアをセレクトするのは、ファッションブランド「サスクワッチファブリックス」でプレスを務めていた田中行太氏。ベーシックをテーマに、Barbour、Brooks brothers、リーバイスなど大人世代に向けたアメリカンカジュアルテイストのアイテムやアウトドアグッズが揃う。配管やスティールを多用した什器が多いレディースフロアとは趣を変え、木をつかった什器が印象的なフロアは、男性の遊び心をくすぐるような空間とアイテム構成となっている。
暮らしを豊かにする家具
同じく2階で展開する家具フロアでは、北欧ヴィンテージを扱う長野県の名店「haluta(ハルタ)」大井智史氏がキュレーションを担当。ハンス・ウェグナーを筆頭に、アアルトやヤコブセンなど60、70年代のヴィンテージ家具を取り揃えている。北欧家具は、シンプルで実用的なデザインでありがら、天然木を使い、空間になじみやすい点が魅力。倉庫の雰囲気を残したlakaguの店内にも、レディースフロアの什器として、カフェの家具として北欧家具が取り入れられており、空間に温もりを与えている。販売する家具だけを並べるのではなく、さりげなく衣食とともに取り入れたディスプレイをぜひ参考にしたい。
知のスペース、soko
lakagu 2階には、sokoと名付けられたレクチャースペースが広がる。こちらではテーマに沿って、ブックセレクターの幅允孝氏がセレクトした本を販売。また、期間ごとにポップアップを展開。第一弾は「本」で、新潮文庫100周年にちなみ、約3000冊の文庫がずらりと並ぶ。(11月26日に終了予定)また、建築家や料理家などあらゆる分野で活躍する10人が選ぶ「10冊の本=10×10(テンバイテン)」という企画販売もおこなっている。彼らが普段どのような本を読み、考え、思いを巡らせているか、本棚を通して、興味の先を追体験できるような楽しい試みだ。その他、作家を招いたトークショーやワークショップも行われている。普段は作品を通してしか触れ合う機会のない作家の話しを、直に聞くことができるのはsokoならではのイベント。事前にチケットが完売してしまうことも多いので、日頃からウェブでまめにチェックしたい。
長く大事に愛用したいアイテムと知的好奇心をくすぐる企画で、訪れる人を楽しませてくれるla kagu。古いもの、新しいものそれぞれの興味をつなぐスペースを存分に楽しみたい。