Renovation
リノベーション+DIYインダストリアルな雰囲気と
ヨーロッパの優しさをMIX
どちらかといえば佑香さんはヨーロッパの香りのするもの、夫はアメリカの工場のようなインダストリアルな雰囲気が好きなのだそう。佑香さんの好みが多く反映されている場所、反対に夫が主導権を握っている場所もありながら、家全体を見ると、二人の好みがうまくミックスされたオリジナルなスタイルになっている。
「リノベーションは、『無相創』の米原政一さんにお願いしました。西荻窪に米原さんのショップがあって(現在は下北沢に移転)、古材や鉄を使うセンスがすごく好きで、よく通っていたんです。何度も打ち合わせをして、最終的に自分たちの希望や予算にピッタリなものに仕上げていただきました。米原さんじゃなければ、思い描いていたようなリノベーションはできなかったと思います」
サンフランシスコに留学経験もあるご主人は、サンフランシスコのカフェ『Sightglass Coffee』の内装が好きで、写真を米原さんに見てもらいながら、リノベーションの相談をしたそうだ。
「我が家にはケーブルやパイプが剥き出しの場所があるのですが、工場のようなカフェの雰囲気を出すために敢えてそうしてもらいました」
リノベーションの際、天井を抜いて、梁と天井が見えるようにしてもらった。
「一部の梁をコンクリートで囲ってもらったので、カフェの武骨な雰囲気により近づきました。ほんとうは細い梁を無くしてもっとスッキリさせたかったのですが、構造上必要とのことで、残す事になりました。今思えば、ライトやモビールなど、梁に吊るして楽しめるインテリアもあるので、かえって良かったと思っています」
DIYで壁面を有効活用
「壁は左官職人に腕を奮っていただきました。できあがった白壁がとてもキレイで、引っ越した当初は壁に画鋲も刺せませんでした。自分の家を作ったら、賃貸ではできなかったこと……壁に穴を開けたり、やりたいことをやろうと思っていたんですが(笑)。でもやっと最近、棚をつけたりできるようになったんです」
この家に引っ越してきてからあまり出番がなくなってしまった無印良品の棚。玄関ドアの塗装に使ったベンジャミンムーアのペンキが残っていたので、そのお気に入りのブルーに塗り、洗濯機の上の壁に空いていたスペースに取り付けた。
「それほど重いものではないので、額縁を下げる用途のピンで留めています。強度の必要なものを壁につける時は、下地センサーを使い、壁のボードの下に隠れている木下地を探し、そこに固定します」
次は外回りのリノベーションに着手します
「キッチンはIKEAで、タイルは『Playmountain』で買って、戸棚は家具職人に作ってもらいました。施主持ち込みの品ばかりのキッチンでしたが、米原さんがそれらをキレイに入れてくださいました」
今年の2月に引っ越して、この家での暮らしも半年以上が経過。家の中はおおよそ完成に近づいてきたので、次は外回りに着手する予定なのだとか。
「バルコニーを作る予定で、今は見積もりをいただくところまで来ました。どんなバルコニーにしたらいいのか考えているときは、外を歩けばバルコニーのあるお宅に目が留まってばかりいました。ちょっとした不審者だったかもしれません(笑)。バルコニーができたら、次は屋根や外壁もリノベーションしたいと思っています。その時はまた、いろんなお宅の外壁を見て回る事になると思います(笑)」