Renovation
やりたいことをわがままに実践癒しの空気感も漂う
インダストリアルな空間
イメージに近い中古物件に出会う
千葉県ののどかな住宅地。築14年の戸建てをリノベーションして暮らすYさんご夫婦。
「もともとリノベーションに興味があったんです。この土地に縁があったわけではないのですが、ガルバリウム鋼板のおもしろい中古物件に出会い、ここなら自分たちの希望が叶えられるかもしれないと思い、購入を決めました」。
木と鉄骨、コンクリートブロック…。異素材がミックスされた空間は、プロダクトコンサルタントのご主人とプロダクトデザイナーの奥様の、ふたりのこだわりが詰め込まれている。
「やりたいことがたくさんあって、プランニングには半年弱かかりました。その間、nuリノベーションさんに毎日メールして、毎週末打ち合わせ。かなりうるさい施主だったと思います(笑)」。
奥行きのある玄関はモルタルを流して土間風に、リビングとの仕切りにはコンクリート塀+ガラス戸を使って露地のような雰囲気に。玄関から始まるスタイリッシュな空間は、Yさんご夫婦のアイデアを活かしてnuリノベーションが誕生させた。
異素材ミックスの武骨な空間に
もともと仕切りの少ない、大空間の広がる家だった。玄関側にあったキッチンやダイニングはテラス側に移動させ、明るいLDKに。
「天井の板と梁はむき出しでした。2階の天井と壁には断熱材を入れ、梁の色はグレーから黒に塗り替えました」。
構造上はずせなかった壁はブルーグレーに。木とアイアン、コンクリートの異素材に、ブルーグレーの塗装が調和する。
「床をヘリンボーンにしたかったんです。でも、全部張るとうるさくなるかなと思い、玄関まわりの一部だけにしました。玄関ホールがないので、空間をゆるく分ける意味でも良かったと思います」。
壁はアイアンと相性のよいラーチ合板で。武骨な空間の雰囲気に合わせて、キャビネットはご主人が自らデザインして知人にオーダーし、造作した。
「床から上に持ち上がったフロートの形状になっているのですが、圧迫感がないし、奥行きを感じさせてくれるのでいいんです」。
キャビネットの上は、美大で知り合ったという奥様のディスプレイにセンスが光る。
「収納にもこだわりました。動線も考えてパントリーと家事室が一体になった空間を造ったんです」。
食糧品だけでなく、洗濯機や雨の日の物干、趣味の道具まで一括に収められる収納庫をキッチンと洗面所の間に。収納ボックスはひとつひとつ中身をラベリングしてすっきりと。快適に生活するための工夫にも抜かりがない。
DIYでアレンジを加える
Y邸には3カ月程前に赤ちゃんが誕生したばかり。2階はベッドルームと、いずれは子供部屋となる広々とした空間が広がっている。
「2階もワンフロアでしたが、ここはある程度使い勝手よく、実用的に仕切った方がいいかなと考えました」。
ベッドルームの奥には6畳のウォークインクローゼットがあり、その一角にはご主人の書斎も。
「ひとりで作業ができる空間が欲しかったんです。今は子供の写真の整理をしたりしています」。
いずれ子供部屋にと考えている空間は、二部屋に分けることも可能。これから家族の成長に合わせて形を変えていく。
「2階の床はヒノキのウレタン塗装だったのですが、業者に研磨を依頼して、その後自分でオイル塗装をかけました。DIYをしたところも結構ありますよ」。
白やブルーグレーの壁の塗装、小さな棚などはほとんどDIYで。広々としたテラスのウッドデッキも、ご主人が取り付けたのだそう。
家で過ごす満ち足りた時間
テラスではオリーブやユーカリ、ブドウ、レモングラスなどを育てる。
「ネットで密度の高い木を買って、ウッドデッキを取り付けました。南側で日差しも強いので、日よけのテントも張っています」。
「グリーンは、ほとんどが実がなって食べられるものばかりですね(笑)。天気のいい日は外でランチしたりするのも気持ちがいいです」。
キッチンの床はテラコッタのような色彩のタイル張りで、テラスと連続した雰囲気もある。赤ちゃんが生まれてからは、休日、余裕のある大きなキッチンでご主人が料理を作ってくれるのだそう。
「ここに来て、週末ゆったりと家で過ごすのが楽しみになりました。今はまだ子供が小さいけれど、もう少しして走り回るようになっても、まわりを気にしなくていいし、テラスにプールを出して遊ばせたりするのも楽しみです」。
毎朝聞こえてくる鳥の鳴き声に癒されるというおふたり。やりたいことを叶えた空間で、幸せな日々が繰り広げられている。