Style of Life
お気に入りの雑貨をインテリアに三角屋根の別荘風の家が
創作意欲をかき立てる
デザイン性と古さがMIX
都内の高級住宅街に建つ三角屋根の家。モデルとしてアーティストとして活躍する酒井景都さんが暮らす家は、軽井沢の別荘のような佇まいを見せる。
「築20年経っていますが、内覧ですぐに決めました。新しいデザイン性の高い物件、古くて味がある物件、両方を見たのですが、ここは古いけれどきれいで造りが面白い。適度に味があって広さもあるのが気に入りました」。
三角屋根の天井の高いリビング、グリーンのドアや少しピンクがかった壁の色、細部にこだわりと遊びが感じられる造りの家を、景都さんの感性でアレンジ。雑貨や小物が彩りを添え、オリジナルの世界観を表現している。
手作りでデコレーション
「1階の廊下やお部屋の床はすべてコルクだったので、グレーの絨毯に替えました。ゆくゆくはリビングのブルーグレーの塗装を黒グレーに替えたり、ラブリーなキッチンのピンク色を抑えめにしたいと思っています」。
2階の明るいリビングは、備え付けのソファーテーブルが「歯医者さんの待合室みたい」と、自分でアレンジ。渋谷の生地屋さんに行きソファーカバーを作ることに。
「コーデュロイに張り替えようと思っていたのですが、ツイードもいいなと思って、結局気に入った生地を4種類、全部買ってつぎはぎのパッチワークのようにしました。布用テープで留めているだけなのですが」。
19歳で立ち上げた服のブランドがヒット。独自のセンスでものを生み出す発想力と技術力は、インテリアにも活かされている。
雑貨を探して各国を巡る
「インテリアは色々なテイストが好きですが、シャビーシックがいちばん好みですね」。生後間もない頃両親とともにイギリスで暮らしていた景都さん。今も色々な国を訪れるのが好きだという。田園調布の雑貨店「マチルド・イン・ザ・ギャレット」「フランキンセンス+ショップ」を経営するお母様の酒井しょうこさんに連れられて、小さい頃から国内外の蚤の市などを回った。
「アンティークが好きだったりするのは母の影響ですね。テイストは少し違いますが、最近は私も母と同じくシンプル志向になってきています」。リビングの味のあるチェストはアンティーク。「母には、迷ったらアンティークを買った方がいいと言われます。傷がついてもそれが味になりますし」。
北欧、オランダ、ベルギー、スペイン、パリ….、あちこちへ「雑貨探しの旅」に出かけている。それが高じて色々な国の雑貨の本も出版。各国で見つけてきたかわいい雑貨や、アーティストの作品がリビングを飾る。
季節毎にコーディネート
1階のベッドルームはホテルをイメージしてコーディネート。「海外のインテリア雑誌を見たり、ネットのピンタレストをチェックしたりして、引っ越す前から考えていました」。
枕元に5つ並べられたクッションのうち、「Sweet Dreams」と刺繍されたものは景都さん自身がデザインした。「ザラホームのウインドウディスプレイがとってもかわいくて、よくお部屋のコーディネートの参考にしています。今、足元にかけているストールはメンズブランドのものですが、色々な種類を揃えていて時々取り替えています。季節に合わせてマリンっぽくするなど、部屋のイメージをチェンジさせるのも楽しいですね」。
北欧アンティークのチェストの上は、お母様からゆずってもらったスージー・クーパーのお皿やパリのマレ地区で買った作家もの、景都さんがプロデュースしたキャンドルなどを飾る。小物ひとつひとつへの愛着が伝わってくる。
生活を楽しみたくなる家
ガラスブロックや天窓からの日差しが明るい階段を登った2階には、景都さんがデザインなどの作業を行う部屋がある。ピンクがかった壁にロフトのある天井の高い空間が心地よい。
「空間の色合いやデザインが自分にマッチしています。それと日当りがよく空間に余裕があるのが、やっぱりこの家で良かったなと思う点ですね。ここに来てからお花や新しいCDをつい買いたくなるようになりました」。
子供の頃から使っているという愛着のある机とアンティークの椅子で、仕事に取り組む景都さん。自分好みの空間にさらに手を加えた満足のいく家が、穏やかな生活を導き、創作意欲をさらにかき立てているようだ。