Style of Life

開放感とこもり感を両立 多彩な居場所が連続する
飽きの来ない住空間

開放感とこもり感を両立 空が見えるリビングで 家族団らんの居心地のよい暮らし

将来の夢を描くことができる家づくり

横浜市内の閑静な住宅街に建つO邸。落ち着いたトーンの緑色の外壁が印象的なこの家に暮らしているのは、ご主人と奥さま、そして9歳になる長男。夫妻は土地探しから家づくりをスタートし、2019年末、家族の理想を叶えた3層からなる住宅が完成した。
「もともとは同じ横浜市内にあるマンションに暮らしていました。家からはベイブリッジが望め、風通しも良く、とてもいい環境だったのですが、私も妻も戸建ての実家で育ったため、いずれは私たちも戸建ての家に住みたいという思いがあり、家づくりを決意しました」(ご主人)。

子どもの教育環境や災害など今後のことを考慮して、ご主人が見つけた出した今の土地は、駅から徒歩1分という交通アクセスに優れた立地。周辺は学校などの教育機関が複数立地し、文教地区としての一面もあるエリアだ。
「私は自然豊かな場所で育ちましたので、駅近ながらも、そうした自然を感じることのできる家を建てることができればいいなと思い、夫婦でイメージを共有していきました。コンセプトとして掲げたのは、将来の夢が描ける家です。映像や音響に関わる仕事をしている主人が特にこだわりを追求した防音室は、将来的には多目的なスタジオとして使うことも考えています。その場合は、私も趣味の料理やお菓子で、いらっしゃるお客さまをリゾートカフェのような空間でおもてなしできたらいいなと夢を広げています」(奥さま)。

O邸外観。「家族はグリーンハウスと呼んでいます。色選びには悩みましたが、家族全員が好きな緑色を採用しました」(奥さま)。
O邸外観。「家族はグリーンハウスと呼んでいます。色選びには悩みましたが、家族全員が好きな緑色を採用しました」(奥さま)。
緑の外壁と相性抜群な赤いポスト。玄関前の花壇も充実している。
緑の外壁と相性抜群な赤いポスト。玄関前の花壇も充実している。
玄関の奥にもう一つ、家族用の入り口を設け、大容量のシューズインクローゼットとつながっている。
玄関の奥にもう一つ、家族用の入り口を設け、大容量のシューズインクローゼットとつながっている。
2階に上がる階段ホール。階段の手すりは奥さまの実家にあったケヤキの木を再利用している。
2階に上がる階段ホール。階段の手すりは奥さまの実家にあったケヤキの木を再利用している。
1階の洗面スペース。「自分たちの体格にあわせて使いやすいように、棚の高さなど寸法には特にこだわりました」(ご主人)。
1階の洗面スペース。「自分たちの体格にあわせて使いやすいように、棚の高さなど寸法には特にこだわりました」(ご主人)。
音楽を趣味としているご主人のこだわりがつまった防音室。設計にはプロのスタジオも手がける防音工事会社「アコースティックエンジニアリング」が携わった。ビートルズが録音を行ったことで有名なアビーロードスタジオの雰囲気を意識した設え。
音楽を趣味としているご主人のこだわりがつまった防音室。設計にはプロのスタジオも手がける防音工事会社「アコースティックエンジニアリング」が携わった。ビートルズが録音を行ったことで有名なアビーロードスタジオの雰囲気を意識した設え。

個別の居場所が連続する空間

夫妻が設計を依頼したのは、不動産屋からの紹介で出会った設計事務所「IYs inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)」の井上亮さん。
「私たちの要望にも、予算面を考慮した上で、さまざまなアイデアを提案してくれました。井上さんはレスポンスも早く、コミュニケーションを密に取ることができたので、こちらも気兼ねなく意見を伝えることができました」(ご主人)。

夫妻が家づくりでこだわったのは「開放感」と「明るさ」、そして「一体感のある大空間」。1階に水回りとご主人こだわりの防音室、2階は吹き抜けによる開放感たっぷりのLDK、最上階には寝室とバルコニーを設置。できるだけ各フロアを区切らず、部屋のどこにいても家族の気配が感じられる空間を意識して設計された。また、キッチンやダイニングなどはあえて天井を低く設定して、「こもり感」をつくり、落ち着ける居心地のよい空間になるように工夫されている。
「開放感」と「明るさ」については、井上さんは次のように話す。「特にこだわったポイントは、居場所をたくさんつくることです。見栄えのよい1つの空間を作るというよりは、天井の高い開放的な場所、こもり感のある場所など、家族の居場所がたくさんあるように計画しています。また、それぞれの空間を、声が聞こえ、気配がわかる程度にゆるやかに連続するように考えました。特に、中心となるリビングでは密集地なので視線を避けるように天井近くのハイサイドライトを設置し視線を遮りながら、LDK全体に光が行き渡るように計画しています」(井上さん)。

3階とリビングが吹き抜けでつながる開放的な空間。
3階とリビングが吹き抜けでつながる開放的な空間。
キッチンから正面を見る。青いソファやバルコニーの黄色い外壁とモダンな照明器具が絶妙にマッチする。
キッチンから正面を見る。青いソファやバルコニーの黄色い外壁とモダンな照明器具が絶妙にマッチする。
料理好きな奥さまのこだわりがつまったキッチン。家の雰囲気とのバランスを考えて、クリナップの既製品の天板をのばし、造作の木材の棚をあわせた。
料理好きな奥さまのこだわりがつまったキッチン。家の雰囲気とのバランスを考えて、クリナップの既製品の天板をのばし、造作の木材の棚をあわせた。
「友人に料理を教えることもあるので、人が数人いても動きやすいように、広々としたキッチンを希望しました」と奥さま。また、バルコニーへの動線を考慮して、キッチン奥に洗濯機を設置している。
「友人に料理を教えることもあるので、人が数人いても動きやすいように。広々としたキッチンを希望しました」と奥さま。また、バルコニーへの動線を考慮して、キッチン奥に洗濯機を設置している。
上部の開口から心地よい光が差し込む。「空が眺められるので、よくここで寝転がっています(笑)」と奥さま。
上部の開口から心地よい光が差し込む。「空が眺められるので、よくここで寝転がっています(笑)」と奥さま。
造作の本棚には読書好きな長男の本と奥さまのインテリアが並ぶ。
造作の本棚には読書好きな長男の本と奥さまのインテリアが並ぶ。

リゾートにいるようなストレスフリーな暮らし

インテリアについては、主に奥さまのこだわりが反映されている。「海辺の雰囲気が好きなので、選ぶインテリアも海辺を連想するものが多いんです。近くの雑貨屋をはじめ、海外旅行先やフリーマーケットなどいろんな場所でインテリアを集めています。鏡やソファ、時計などは以前の住まいから引き継ぎ、設計の段階から、どこに配置するかを考えました。結果的にこの家ともマッチしてよかったです」と微笑む奥さま。井上さんも「インテリアの統一感はこの家の魅力のひとつだと思います。設計ではコントロールできない部分なので、本当にこの家での生活を楽しんでいただいているのが伝わってきて、嬉しく感じています」と話す。

こだわりを徹底的に追求し、理想の住まいを実現させたOさん一家。「コロナ禍により外出自粛となりましたが、家にいながらも毎日陽の光と心地よい風を感じながら、大好きな音楽と植物に囲まれて、以前より家族全員が健やかに暮らせています」と奥さま。ご主人も「家にこもってはいますが、広々とした空間なので閉塞感を感じることはありません。各自の居場所で好きな時間を過ごしながらも、自然とリビングで家族団らんすることが多いですね」と話す。

今後の楽しみについて伺うと、「コロナ禍が明けたら、自宅でライブパーティを開きたい」と語ってくれた夫妻。これからも家の魅力を存分に生かしたOさん一家らしい豊かな日々を過ごされていくことでしょう。

南イタリアの雰囲気をイメージしたという3階のフリースペース。青い壁とオレンジのソファがリゾート感を演出する。
南イタリアの雰囲気をイメージしたという3階のフリースペース。青い壁とオレンジのソファがリゾート感を演出する。
ハンモックで読書を楽しむ長男。フリースペースでは家族が好きなスタイルで過ごしている。
ハンモックで読書を楽しむ長男。フリースペースでは家族が好きなスタイルで過ごしている。
夫妻の寝室。屋根の形状を活かした勾配天井によって、こもり感のある落ち着ける空間に。
夫妻の寝室。屋根の形状を活かした勾配天井によって、こもり感のある落ち着ける空間に。
広々としたバルコニー。「夏にはプールを置いています。子どもが友だちを連れてくると、たいてい3階とバルコニーがたまり場になりますね」と奥さま。
広々としたバルコニー。「夏にはプールを置いています。子どもが友だちを連れてくると、たいてい3階とバルコニーがたまり場になりますね」と奥さま。

O邸

施工 株式会社サカエ建設
意匠設計 Inoue Yoshimura studio Inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)

構造設計:川田知典構造設計

所在地 神奈川県横浜市

構造 木造

規模 地上3階建て
延床面積 約120㎡(駐車場除く)