Architecture

海辺の町に暮らす大きな格子の窓が
リビングに豊かな表情を作る

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海まで2分。豊かな自然を感じる家

海までなんと歩いて2分。大磯の豊かな自然に囲まれた住宅地に越してきた水谷さん一家。フレンチブルドッグのわさびちゃんとかぶきくんも、嬉しそうに芝生の庭を駆け回る。

お嬢さんが小学校に上がる前に、都内から自然が豊かな場所に越したいと考えていたそう。鎌倉や逗子の土地も探したけれど、海の近くなのに夏でも静かな立地が気に入り、大磯のこの場所に決めたのだとか。
「大磯は渋谷まで乗り換えなしで行けるので通勤が楽ですし、母親が近くに住んでいるので土地勘もありました。海のすぐそばなのですが、海岸から20m程上がっている場所なので、海岸の家特有の潮の影響が少ない住宅地なのも気に入りました」

水谷さんは都内ではコーポラティブハウスを購入して住んでいた。その設計を担当したのが、現在は独立しYUCCA designを主宰する建築家の山野辺淳平さん。
「僕らの好みやこだわりもご存知でしたので、設計はぜひ山野辺さんにお願いしたいと考えていました」


格子の窓が水谷邸のアイコンになっている。リビングの天井は、窓の形そのままに傾斜している。
格子の窓が水谷邸のアイコンになっている。リビングの天井は、窓の形そのままに傾斜している。
キッチンの天井はリビングより一回り下がっている。台形の家型のカタチがキュート。
キッチンの天井はリビングより一回り下がっている。台形の家型のカタチがキュート。
水谷家は3人家族。ダイニングテーブルとソファは前の家で使っていたものだそう。
水谷家は3人家族。ダイニングテーブルとソファは前の家で使っていたものだそう。
フレンチブルドッグのわさびちゃんと、かぶきくん。水谷さんがデザインするフレブルの洋服の店『blimp』のモデル犬。「フレンチブルドッグは特殊な体型なので他の犬種の服が合わず、ならば自分で作ろうと思ったのがスタートでした」
フレンチブルドッグのわさびちゃんと、かぶきくん。水谷さんがデザインするフレブルの洋服の店『blimp』のモデル犬。「フレンチブルドッグは特殊な体型なので他の犬種の服が合わず、ならば自分で作ろうと思ったのがスタートでした」


こだわりのアイランドキッチン

「コンクリート素材のアイランドキッチンを作りたいと思っていたので、家の基礎を作る時にコンクリートのキッチンのカウンターも作ってもらいました。モルタルのものよりどっしりとした存在感がありますし、コストを抑えることもできました」

壁面のタイルの貼り方にもこだわっている。2枚づつ組み合わせたタイルを馬踏み目地張りにしている。

古材を使った棚板、エイジング加工したナラ材を使った引き出し、アイアンの取っ手など、素材感も大切にしている。


ペンダントライトの赤いコードは木の枝で長さを調整。『Studio Prepa』の手吹きのガラスシェードを使った『Landscape Products』のオリジナル。
ペンダントライトの赤いコードは木の枝で長さを調整。『Studio Prepa』の手吹きのガラスシェードを使った『Landscape Products』のオリジナル。
「コンクリートのアイランドキッチンは、モルタル塗装ではなく、基礎からコンクリートを立ち上げて作ってもらいました」。壁面のタイルの貼り方にもこだわっている。
「コンクリートのアイランドキッチンは、モルタル塗装ではなく、基礎からコンクリートを立ち上げて作ってもらいました」。壁面のタイルの貼り方にもこだわっている。
「カウンターの下の引き出しは、地元の家具屋さんに作っていただいたものです。ナラ材を古材風に仕上げてもらいました」
「カウンターの下の引き出しは、地元の家具屋さんに作っていただいたものです。ナラ材を古材風に仕上げてもらいました」
2階に上る階段は、一番下の段と上の段が宙に浮いている軽やかなデザイン。
2階に上る階段は、一番下の段と上の段が宙に浮いている軽やかなデザイン。
玄関にはデンマークのヴィンテージのキャビネットが置かれている。
玄関にはデンマークのヴィンテージのキャビネットが置かれている。


キッチンの奥が、バス、トイレ、洗面を合わせたユーティリティスペースになっている。洗濯機も同じ空間に。

壁は白のサブウェイタイル、床はナチュラルな色目の六角形のタイルを使い、美しい脚を持つ洗面台、デンマークのキャビネットを使い、ひとつの落ち着ける部屋のようなインテリアに仕上げている。


木製の脚がキュートな洗面台はイタリアから取り寄せたもの。蛇口はシンプルに。
木製の脚がキュートな洗面台はイタリアから取り寄せたもの。蛇口はシンプルに。
デンマークのキャビネットを置いて、ユーティリティで使うものをすっきりと整理。
デンマークのキャビネットを置いて、ユーティリティで使うものをすっきりと整理。


壁はサブウェイタイル、床は六角形のタイルを組み合わせている。鏡も個人輸入したもの。鏡をスライドすると棚が現れる。天井から下げたボトルではシノブを育てている。繊細な葉が美しい。
壁はサブウェイタイル、床は六角形のタイルを組み合わせている。鏡も個人輸入したもの。鏡をスライドすると棚が現れる。天井から下げたボトルではシノブを育てている。繊細な葉が美しい。
トイレもユーティリティスペースの一角に。洗濯機の上の収納はボックスの色を統一してすっきりと見せている。
トイレもユーティリティスペースの一角に。洗濯機の上の収納はボックスの色を統一してすっきりと見せている。


気持ちのよい庭はDIYで

緑の芝生が広がる気持ちのよい庭は、なんと水谷さんがDIYで作り上げたものなのだそう。

沖縄から琉球石灰岩を取り寄せて敷石にし、アメリカ製のフェンスは基礎を打って取り付けた。プランターボックスも手作りだ。

「カナリーヤシは重量があるので、大磯の植木屋さんに重機を使って植えていただきました。他の植物は自分で植えています。今年の夏、庭に植えたオリーブの木がグンと逞しく大きく成長しました」

水谷さん宅は室内にもたくさんのグリーンが飾られている。「SOLSO FARM」で買ったものが多いのだそう。

週末は釣竿を手に海に居ることが多いという水谷さん。平日の通勤時間は増えたけれど、この週末のひとときには代えがたいものがあるそう。
「大磯駅から鎌倉方面の海は若者が多いのですが、反対側の家の前の海はおじいちゃんたちが多いんです。その雰囲気もかなりナゴみます」


格子の窓にカーテンはつけていないけれど、夜など目隠しをしたいときは、布を暖簾のようにかけて使う。
格子の窓にカーテンはつけていないけれど、夜など目隠しをしたいときは、布を暖簾のようにかけて使う。
必要な時にさっとかけて、使わない時は丸めて収納。ネットで 縫製をお願いできる「nutte」で縫ってもらったそう。
必要な時にさっとかけて、使わない時は丸めて収納。ネットで 縫製をお願いできる「nutte」で縫ってもらったそう。
2階のお嬢さんのお部屋。壁の一面を薄いパープルに。床は無垢のウォルナット。
2階のお嬢さんのお部屋。壁の一面を薄いパープルに。床は無垢のウォルナット。


なんと、庭はすべて水谷さんのDIYなのだそう。「コンクリート部分は作ってもらいましたが、木のプランターを自作し、フェンスも自分で建てました」
なんと、庭はすべて水谷さんのDIYなのだそう。「コンクリート部分は作ってもらいましたが、木のプランターを自作し、フェンスも自分で建てました」

庭の敷石は、沖縄から天然の琉球石灰岩を取り寄せた。
庭の敷石は、沖縄から天然の琉球石灰岩を取り寄せた。

水谷邸
設計 YUCCA design
所在地 神奈川県中郡大磯町
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 114.9m2