家族とのつながりを大切に回廊から見守る家族の団欒

家族とのつながりを大切に回廊から見守る
家族の団欒

家族と共有できる家

「コンセプトは”家族全員が楽しく・心地よく過ごせる空間”でした」

北鎌倉の山に囲まれたのどかな地域に建つ1軒家。クラシックとモダンが融合したその家は、家族のつながりを何より大切にプランニングされた。家主は映像ディレクターの北出真也さん。家族は、妻の博美さん、そして長女ありあさん(11歳)。

「私の親と妻の母にいずれ来てもらうつもりでいるので、そうなると家族も増えます。1階にそれぞれの親の個室2部屋と、2階に主寝室、子供部屋、ワークスペースを設けて、あとは1階にみんなが集える、吹き抜けのある広めのリビングが欲しかったですね」


吹き抜けの開放的な空間を、回廊がぐるりと包み込む。右上にある天窓から差し込む光が白い壁に映し出され、時間とともに移動する。

吹き抜けの開放的な空間を、回廊がぐるりと包み込む。右上にある天窓から差し込む光が白い壁に映し出され、時間とともに移動する。

自然との共生を大切に、木にこだわって設計。

自然との共生を大切に、木にこだわって設計。

真也さんのご両親が使う予定の部屋。今はテレビを観るときなどに使用。

真也さんのご両親が使う予定の部屋。今はテレビを観るときなどに使用。

博美さんのお母さんの部屋。和に傾きすぎないよう、壁紙やカーテンはローラ・アシュレイを採用した。

博美さんのお母さんの部屋。和に傾きすぎないよう、壁紙やカーテンはローラ・アシュレイを採用した。


回廊が家族を包み込む

モデルルームを見に行って、イメージがぴったりだったコナラハウスに設計、施工を依頼。

「ファーストプランを見てびっくりしました。玄関の上り口がなく、天然石の床がリビングやキッチンまでつながっていて、そしてリビングすべてが吹き抜けた大空間が広がっている。その斬新さが良かったですね」

家族とのつながりを大切にしたいという北出さんの思いをくみ、立てられた案は“回廊で包む家”だった。2階の個室、廊下、キャットウォークが、1階のリビングをぐるりと取り囲むようにめぐる。

「どの部屋にいてもリビングが眺められるという設計は、家族の気配が感じられる空間にしたいというコンセプトにもぴったりでした」


主寝室へと続く2階の廊下。手すりの1本1本の細工も細かい。

主寝室へと続く2階の廊下。手すりの1本1本の細工も細かい。

手すりにも曲線をとりいれることで、空間のアクセントに。

手すりにも曲線をとりいれることで、空間のアクセントに。

キャットウォークにはありあさんの絵などを飾る。

キャットウォークにはありあさんの絵などを飾る。

手刻みで組み上げられた構造が美しい。

手刻みで組み上げられた構造が美しい。

細部にまでこだわりが感じられる。

細部にまでこだわりが感じられる。


日照条件をクリア

時間とともにシルバーグレーへと経年変化する、杉の木の外壁。瀟洒な外観の建物の中に1歩足を踏み入れると、広々としたリビングが迎えてくれる。古材をアクセントに使い、ちょうなではつった表情豊かな木目の梁や柱などが、温かさを感じさせる。

「家の裏手にアパートがあり、採光には苦心されたようですが、天窓をつけてもらったことや北側に開口部を設けたことで暗さは感じません。天窓からの光が、1日を通してスライドしていくのを眺めるのも楽しいですよ」

3間分の吹き抜けの開放的な空間。そこは、ディスプレイクリエイターの博美さんのセンスで彩られている。

「インテリアの好みも、コナラハウスさんとぴったりだったんです。リビングはモダンの中にもクラシックの要素を取り入れたいと思い、コーディネートしました」


玄関ポーチにも柱石のオリジナルのアイデアが。左手は、白い花の咲くものばかりをリクエストしたホワイトガーデン。

玄関ポーチにも柱石のオリジナルのアイデアが。左手は、白い花の咲くものばかりをリクエストしたホワイトガーデン。

古材を使った木の梁が、温かい雰囲気。テーブルはコナラハウスにオーダー。古材の天板に、挽き物職人によって作られたデコラティブな脚を組み合わせたもの。

古材を使った木の梁が、温かい雰囲気。テーブルはコナラハウスにオーダー。古材の天板に、挽き物職人によって作られたデコラティブな脚を組み合わせたもの。

外壁の杉の木は、時間とともにシルバーグレーに変色し、味わいを増していく。

外壁の杉の木は、時間とともにシルバーグレーに変色し、味わいを増していく。

キッチンでは、ありあさんがお母さんのお手伝い。食器は白、鍋類は黒・グレーで色を統一し、ひとつひとつのディテールにこだわって揃えたもの。

キッチンでは、ありあさんがお母さんのお手伝い。食器は白、鍋類はグレーで色を統一し、ひとつひとつのディテールにこだわって揃えたもの。


アメリカのブランド、RHの存在感のある照明が、クラシカルかつモダンな内装とマッチする。2階ワークスペース壁面のステンドグラスは、友人のステンドグラス作家に制作依頼。

アメリカのブランド、RHの存在感のある照明が、クラシカルかつモダンな内装とマッチする。2階ワークスペース壁面のステンドグラスは、友人のステンドグラス作家に制作依頼。


インテリアはモダン&シックに

吹き抜けの天井に存在感を放つのは、コナラハウスに紹介してもらったRHからセレクトした照明。

「リビングの照明には特にこだわりたかったんです。大きな空間を引き締める、この家の象徴となる個性的な照明が見つかりました」

リビングと一体となったオープンキッチンは、整然としていてお洒落なレストランのよう。収納もあえてオープンにして、日々使う食器をディスプレイ感覚で並べている。

「棚板の下にライトをつけてもらったので、雰囲気が出ているのかもしれませんね」

博美さんが特にこだわったのが、洗面スペース。ホテルのような心地よい空間にするため、床や壁紙・照明・シンクなどひとつひとつにこだわってセレクトした。


すっきりと片付けられたキッチン。棚は中に入れるもののサイズを測って作ってもらった。

すっきりと片付けられたキッチン。棚は中に入れるもののサイズを測って作ってもらった。

ホテルのようなお洒落な洗面。床はビアンコカララの大理石に黒の御影石をアクセントに。壁紙・照明はローラ・アシュレイを採用。シンク・トイレはコーラー社からセレクト。

ホテルのようにお洒落な洗面。床はビアンコカララの大理石に黒の御影石をアクセントに。壁紙・照明はローラ・アシュレイを採用。シンク・トイレはコーラー社からセレクト。

日常使いの食器がディスプレイされた、キッチンの棚。

日常使いの食器がディスプレイされた、キッチンの棚。
 

引き出しの中もいつもこの通り、整然と。スライド棚は調理家具を引き出してそのまま使えるように、コンセントを配置。

引き出しの中もいつもこの通り、整然と。スライド棚は調理家具を引き出してそのまま使えるように、コンセントを配置。

キッチン裏にはパントリー、冷蔵庫、洗濯機を設置。「リビングからなるべく見えないようにしました。どちらからも廻れて導線がよく、デザインと機能性が両立しています」

キッチン裏にはパントリー、冷蔵庫、洗濯機を設置。「リビングからなるべく見えないようにしました。どちらからも廻れて導線がよく、デザインと機能性が両立しています」


家族の個性を活かした個室

2階の家族それぞれの個室は、“個性的で遊び心のある空間”がコンセプトだった。インテリアに関しては、博美さんが中心となりコーディネート。真也さんは、

「私が撮る映画の美術も担当してもらっているので、お互いにイメージを共有して、スムーズにセレクトしていくことができました」

主寝室は、ドレッサールームとベッドルームをつなげ、シャビーシックなインテリアで統一した。生活空間でありながら、非日常的な雰囲気が醸し出される。

「パリの屋根裏部屋を意識して、木の梁を出してもらいました。クローゼットも見せる収納でディスプレイを楽しんでいます」

ドレッサーは、もともとあった茶色のチェストの引き出しを利用して造作。コーラー社のシンクを設置して、こだわりのドレッサーテーブルに仕上げた。機能的でありつつ、インテリア雑誌の一部のように美しい。

子供部屋は、ロフトのある造りをリクエスト。ありあさんが選んだピンクの塗装で統一し、博美さんと相談して決めた家具や照明で、女の子らしいキュートな部屋が誕生した。

「リビング以外に、共有スペースが欲しいというリクエストも出しました。その結果、子供部屋と主寝室をつなぐ2階の回廊部分に、ウインドウシートを設けてもらいました」

大きな開口部から、家の前の自然の豊かな景観が眺められるその場所には、造りつけのシートと本棚が設けられ、寝転がって本を読んだり、昼寝をしたり。ここで過ごす時間も、家族に寛ぎを与えてくれているのだとか。


ドレッサールームの向こうにベッドルームが。ローラ・アシュレイの壁紙や、サラグレースのシャンデリアが華やか。

ドレッサールームの向こうにベッドルームが。ローラ・アシュレイの壁紙や、サラグレースのシャンデリアが華やか。

ハート型のミラーを中心に、シャビーシックな雰囲気のドレッサールームに。

ハート型のミラーを中心に、シャビーシックな雰囲気のドレッサールームに。

ありあさんの部屋は、ピンクで統一された女の子らしい内装。ロフト部分はベッドスペースとして使用している。

ありあさんの部屋は、ピンクで統一された女の子らしい内装。ロフト部分はベッドスペースとして使用している。

ベッドルームはブルーで塗装し、シンプルに。天窓から星空が眺められる。入口はアーチ型にこだわった。

ベッドルームはブルーで塗装し、シンプルに。天窓から星空が眺められる。入口はアーチ型にこだわった。

真也さんのワークスペース。天窓から光が差し込んで明るい。デスクや収納棚を造作し、仕事のはかどる機能的なスペースに。

真也さんのワークスペース。天窓から光が差し込んで明るい。デスクや収納棚を造作し、仕事のはかどる機能的なスペースに。


家族の共有スペースであるウインドウシート。窓の外には、鎌倉の緑あふれるのどかな風景が広がる。

家族の共有スペースであるウインドウシート。窓の外には、鎌倉の緑あふれるのどかな風景が広がる。


家族の気配を感じる家

「住んでみて、いろいろなことに気づかされます。柱の1本1本に面とりがされていたり、ディテールに遊び心があったり。味わいを感じますね」

施主と工務店のこだわりが生んだ一軒家。そこには、家族への思いが根底にある。

「鎌倉を選んだのも、田舎からやってくる親が、いきなり都会ではなじめないんじゃないかと思って。ここは自然も豊かで落ち着いていますから」

と、博美さん。ありあさんは、転校後にできた友達と、山登りをしたり、ここでの暮らしを楽しんでいるそう。自宅を仕事場とする真也さんも、2階ワークスペースのステンドグラスの窓から家族の気配を感じつつ、仕事に専念する。キッチンでは、博美さんが食事の支度。今は、毎週末のように開かれる新築の披露パーティーの準備で忙しいのだとか。

「当分は友人を呼んで、パーティーが続くでしょうね。温かい家に招くことができて幸せです」


ツェツェの花器。ありあさんがお庭で摘んでくる草花を活けることが多い。

ツェツェの花器。ありあさんがお庭で摘んでくる草花を活けることが多い。

家族の生活や、家づくりのイメージなどを記したレポートとビジュアルイメージ。設計前に作成し提出。

家族の生活や、家づくりのイメージなどを記したレポートとビジュアルイメージ。設計前に作成し提出。

家族3人の沖縄旅行で作ったシーサーを玄関に。天然石で1枚ずつ味のある床は、深夜蓄熱の床暖房でコストも低い上、暖か。

家族3人の沖縄旅行で作ったシーサーを玄関に。天然石で1枚ずつ味のある床は、深夜蓄熱の床暖房でコストも低い上、暖か。