クルマと共に暮らす家家中のどこからでも愛車を眺められる住まい

クルマと共に暮らす家家中のどこからでも
愛車を眺められる住まい

中庭越しに見えるビルトインガレージ

小江戸川越の蔵造りの町並みからほど近い住宅街に建つ末永さんのお宅。近くの集合住宅に住んでいた末永さんが戸建て住宅を建てることを決意したのは、3台の愛車のためだったのだそう。

「クルマを眺められる家に住むのが夢でした。マンション住まいですと月々の駐車場代が所有しているクルマの台数分かかりますが、戸建てならその必要がないことも動機のひとつでした。今は3台分の駐車場に人が住まわせてもらっている感覚です(笑)」

建物の横に縦に2台分停められるスペースを確保し、もう1台分は、ビルトインガレージとした。中庭を囲む“ロの字型”の家なので、家のどこからでも愛車を眺められる。仕事場からは後ろ姿を、和室からは愛車の横顔を、リビングからは斜め上からの姿を楽しめるのだ。


玄関横の駐車場に2台。クラシック・ミニと、その後ろには新車から28年間乗り続けているフィアット・パンダが停まっている。

玄関横の駐車場に2台。クラシック・ミニと、その後ろには新車から28年間乗り続けているフィアット・パンダが停まっている。

シャッターつきのビルトインガレージの中に置かれているのは、ランチア・デルタ。


ガルバリウムの外観に対し、内側は素朴な加工を施したレッドシダーの壁面。中庭越しに愛車が見える。

ガルバリウムの外観に対し、内側は素朴な加工を施したレッドシダーの壁面。中庭越しに愛車が見える。

仕事場からも、ふと目を上げると愛車の後ろ姿が。

仕事場からも、ふと目を上げると愛車の後ろ姿が。

デ・ローザやチネリ、コルナゴといったイタリアのヴィンテージロードバイクやフレームも多数所有している末永さん。

デ・ローザやチネリ、コルナゴといったイタリアのヴィンテージロードバイクやフレームも多数所有している末永さん。

玄関はモルタルをコーティングしてある。ブラインド越しの光が美しい。

玄関はモルタルをコーティングしてある。ブラインド越しの光が美しい。


部屋は使う目的を決める

末永さんの希望は、まず愛車と暮らせる家にしたいということ、そしてもうひとつ、”部屋の役割を決めてしまいたい”ということだったそうだ。つまり広い空間をゆるく目的に合わせて使うのではなく、キッチン・ダイニング・リビング・寝室、をあらかじめきちんと分ける暮らし方だ。

中庭を囲む“ロの字型”プランはその希望に好都合だった。部屋の独立性を確保しながら、各部屋が中庭に面しているので広がりが感じられる。それぞれのフロアがスキップしているので、夫婦お互いの存在を適度に感じつつ心地良く暮らすことができる。


木のぬくもりが感じられるハーフユニットバス。

木のぬくもりが感じられるハーフユニットバス。

浴槽に浸かりながら中庭のヒメシャラを眺められる。年が経つとともに壁のレッドシダーがシルバーに変化していく。

浴槽に浸かりながら中庭のヒメシャラを眺められる。年が経つとともに壁のレッドシダーがシルバーに変化していく。


1階の和室。ここからも中庭越しに愛車が見える。冬はここにコタツを置くのだそう。引き戸を閉めれば客間としても使える。

1階の和室。ここからも中庭越しに愛車が見える。冬はここにコタツを置くのだそう。引き戸を閉めれば客間としても使える。


経年変化が楽しみな素材で

愛車も自転車も建物も、カタチあるものは美しく経年変化していく様が好きだという末永さん。その思いから、壁材は壁紙ではなく、風合いを最大限に活かすソープフィニッシュが施されたシナベニアを採用。明るく柔らかな印象のシナベニアが、ゆっくりと飴色に変わっていく過程を楽しめる。

「我が家を手がけていただいた大工さんが職人気質の方で、隅々まで家具並みの精度で仕上げていただきました。ダイニングの天井高が2700mmなのですが、継ぎ目なく貼るために、規格外の長さのものを特別に注文してくださったのには驚きました」と末永さん。

「実際に住んでみると、いろいろとあぁしたいこうしたいと思い浮かぶものですね。たとえば、寝室とリビングの壁をガラスに変更してもいいかなと考えています。中庭を囲んで家族の存在感をゆるやかに感じる生活がとても気に入ったので、寝室もお互いの睡眠の邪魔にならない程度の間仕切りをいつかトライしてみたいと思っています」


ダイニングとキッチンは通常より低めの2階に。階段を昇ったところに小さめの扉をつけ、エアコンの冷気が1階に逃げない工夫も。玄関からの視線を遮ることもできる。

ダイニングとキッチンは通常より低めの2階に。階段を昇ったところに小さめの扉をつけ、エアコンの冷気が1階に逃げない工夫も。玄関からの視線を遮ることもできる。

ピエロ・リッソーニがデザインしたリビング・ディバーニのソファ。正面の引き戸の奥がベッドルーム。

ピエロ・リッソーニがデザインしたリビング・ディバーニのソファ。正面の引き戸の奥がベッドルーム。


ドブ漬け亜鉛の質感を楽しめる階段の手すり。

ドブ漬け亜鉛の質感を楽しめる階段の手すり。

柱とシナベニアの壁の収まりが美しい。

柱とシナベニアの壁の収まりが美しい。


キッチンのステンレスは、傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げに。ガスコンロ近くの壁のシナベニアのみ、汚れをはじきやすいウレタン塗装を採用。

キッチンのステンレスは、傷が目立ちにくいバイブレーション仕上げに。ガスコンロ近くの壁のシナベニアのみ、汚れをはじきやすいウレタン塗装を採用。

梁をあらわしにして立体感のある印象に。2700mmの天井高を持つダイニング以外はあえて2125mmに抑え、スキップフロアとともに縦方向でのリズムを生み出している。

梁をあらわしにして立体感のある印象に。2700mmの天井高を持つダイニング以外はあえて2125mmに抑え、スキップフロアとともに縦方向でのリズムを生み出している。


FP(末永邸)
設計 関本竜太(リオタデザイン)
所在地 埼玉県川越市
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 78.42 m2