これからの変化が楽しみな家素材感にこだわった心休まる住まい

これからの変化が楽しみな家素材感にこだわった
心休まる住まい

西迫潤さんと、建築家の岩切剣一郎さんとのおつきあいはもう7年にもなるそうだ。

「この家の竣工は3年前ですが、それまでの4年もの間、僕たちの希望に辛抱強くおつきあいいただきました。土地を探すところから始まって、設計図がほとんどできたところで敷地を買い増しすることになり、図面が白紙になることもありました。長く時間がかかったので、岩切さんが手がけた他の物件のオープンハウスには何度も足を運ぶ機会ができて、より具体的なコミュニケーションをとることができました。苦労をおかけしましたが、結果的に満足できる家ができたと思います。住むほどに愛着の沸く、オリジナリティの高い設計をしていただきました」

産婦人科医の潤さんは、現在隣の敷地に自身の病院を建てている最中でもある。

「家でくつろいでいるかのように過ごすことのできる病院を、岩切さんが在籍していた『NATURE DECOR』という設計事務所にお願いして作っていただいています。実は兄が小児科医で、既に岩切さんに頼んだ病院が完成しています。親子で来院しても楽しめるような、かなり素敵な病院を作ることができたと思います」


大阪の家具店『TRUCK』のソファ。「大好きなこのソファからイメージをふくらませて、家を完成させました」

アーム付きのレザーチェアとオットマンも『TRUCK』のもの。スチールの脚も西迫邸のイメージ通り。

「暖炉はどうしても手に入れたかったもののひとつです。『PECAN』の暖炉は手入れも簡単で、オーブンで料理もできるので気に入っています」

床材は古いウイスキー工場の廃材。表情が豊かな木の壁も、古材を組み合わせて張られている。


家を作る上で、大きな柱となったのが、大阪の家具店『TRUCK』のソファだそうだ。

「『TRUCK』は大好きな店です。特にこのソファを気に入っていて、このソファのイメージを柱にして家の設計を考えていきました」

リビングの床はウィスキー工場で使われていた廃材を使用している。

「節がところどころにあります。その部分をカットして使わない選択肢もありましたが、そのまま使ってもらいました。以前は足の裏にトゲが刺さることもあったのですが、今はそんなこともなくなって、いい風合いになってきました」

壁にも古材を使っている。

「木をたくさん使って安らげる空間を作りたかったのですが、使いすぎると甘くなるので、古材で甘さを抑えました。月日が経つうちに、もっと古材が家に馴染んでくると思うんです。それも楽しみのひとつです」

取材に伺った11月下旬には、ストーブに薪がくべられていた。

「家を建てたら暖炉はぜひ作りたいと思っていました。使わなくなるよという声も聞きましたが、うちでは大活躍しています。暖房設備が、2階のこのストーブと、地熱を使ったサーマスラブを1階で使っているだけということもあるかもしれません。『PECAN』のストーブは手入れが簡単だったことと、この辺りは意外に薪が手に入りやすかったことも大きいですね。軽トラックの荷台一杯分の薪が約6000円で買えます。ストーブを使って料理をすると子どもたちも喜びますし、とても重宝しています」


書斎からも眺めることのできるガレージは、潤さんの趣味が生かされた男っぽい空間。

ガレージには、MINIと、KAWASAKIのW400が鎮座。

書斎の棚には、アンティークのカメラのコレクションがズラリ。



男の夢がギュッと詰まったガレージと書斎

潤さんの大学生の頃からの趣味というオートバイとクルマは、ガラス越しに書斎からも眺められるようになっている。乗り物が趣味の男なら、誰もが夢見る空間だ。
書斎の棚には、ライカやハッセル、ニコン、オリンパス……アンティークのカメラがズラリ。

「フイルムカメラを見るとついつい手が出てしまって……。子どもを撮ったりもしますが、撮ることよりも、ついつい集めてしまうんです(笑)」


9歳、7歳、4歳の、三姉妹のキュートなお部屋。

アーチもこの家のモチーフとして多く使われている。この格子戸を開けると中が和室になっている。

スウィートなピンクの壁紙に、アイアンの螺旋階段がよく似合う。上のロフトが子どもたちの寝室。

客間としても使える和室。曲線の床の間がこの部屋を優しいイメージに。


暖かさを感じさせる木とスチールの組み合わせ

西迫邸から感じられる暖かさは、長く人との生活に寄り添ってきた、木とスチールという素材が多く使われているからだろう。

「吹き抜けに面したスチール枠の窓やドアなど、ソファやイス以外の家具は、ほとんど製作してもらったものです」

産婦人科医という職業柄、旅行などで長期間家を空けることができないという西迫さん。

「ゆっくりくつろげる、そして趣味にも没頭できる家を作りたいと思いました。キャンプにもなかなか行けないので、ストーブでアウトドア気分を味わいながら料理をしています。あとはテラスでバーベキューをしたり……。楽しめて、くつろげて、そしてゆっくり古材の変化を楽しめる、いい空間を作ることができて満足しています」


リビングと吹き抜けの階段部分は、スチール枠の窓で仕切られている。その横にはロフトに上がるスチールの階段も。木の床とスチールのコンビネーションが美しい。

キッチンの大きなカウンターテーブルの天板は、一枚板をアンティーク風に加工したもの。ブロックを積んだものの上に載せられている。

木の床とタイル、アイアンの手すりのコンビネーションが美しい。アンティークの子ども用のイスが効いている。

さまざまな表情の古材を組み合わせて作られた玄関ドア。

寝室の壁には、手描きならではのニュアンスのあるグリーンのペイントが施されている。

エントランスのアーチ型の門扉を開けると、ヨーロッパの中庭を思わせる空間が広がる。


西迫邸
設計 岩切剣一郎(カリフォルニア工務店)
所在地 神奈川県相模原市
構造 木造
規模 地上2階
延床面積 104.22 m2