Style of Life
光と緑をたっぷり取り込む家族や自然と一体になれる
別荘ライクな一軒家
まわりの自然に溶け込む家に
緑に囲まれた焼スギの外壁が、静かな住宅街に映える。自宅でワークショップを営む大河友美さんは、7年前、実家の隣に一軒家を建てた。
「実家の庭の一角なんです。子供の頃からいつも遊んでいた場所で隣には公共の公園もあります。自然に囲まれたこの環境を活かしたいと思いました」。
夫・延年さんは空間デザイン会社に勤務。同じ会社でかつてデザインを担当していた友美さんとともに、仕事で得た知識を活かし、カフェのような空間をイメージしながらプランニング。建築家とともにプランを練っていった。
「なるべく空間を広く使って、公園側に大きな窓を設けたいというのが希望でした。やりたかったのはスキップフロア。人をたくさん呼べる家にしたかったので、仕切りはなるべく設けず、階段でつながった大空間にしました」。
スキップフロアでつなぐLDK
家の中央を貫く土間は吹き抜けに。天井はアクリルを使って全体をトップライトとしていて、昼は明るい光が、夜は星空が天空に広がる。
「月あかりや、雨の日には雷が光るのも見えておもしろいです(笑)。外気が直接入ってきますが、四季も感じられて良かったと思っています」。
2階はこの吹き抜けを介して、キッチンとリビングをスキップフロアで接続。キッチンで作業をする友美さんと、リビングで遊ぶお子さんたち、趣味のDJブースに立つ延年さんが、お互いの様子を感じながらそれぞれの時間を過ごすことができる。
「趣味を大事にできる場所を確保することもテーマでした。リビング側には主に僕のレコードと本を収納する棚を造作しました」と延年さん。
友美さんが長い時間を過ごすキッチンも造作で、キッチン台とダイニングテーブルをつなげたカウンターを設置。開口部の向こうに公園の緑も広がって、カフェのような雰囲気が漂う。
「古材屋さんで板を買って、コンロ、シンクとひとつながりのテーブルを作ってもらったんです。いちばん強い木を探したところ、オーストラリアで線路の枕木として使われていたユーカリの木が見つかりました」。
味わいのある重厚なテーブルでは、家族の団欒はもちろん、友美さんの得意のものづくりを活かして、様々なワークショップも開催。
「家を建てたことで、この空間を共有してもらいたいと思うようになりワークショップを始めました。色んな機会が広がったことも良かったですね」。
屋上で過ごす贅沢な時間
インテリアはほとんどが友美さんのセレクト。
「ハワイが好きなのでハワイアンの雑貨などをアレンジして雰囲気をつくっています」。
照明やスイッチ、それを取りつける位置などは、ご夫婦の職業柄得た知識で、素材やデザインを優先して取り付けた。
「スイッチは少し低めの位置につけてもらいました。床材などもモルタルに樹脂を塗って照りを出したりして、質感にはこだわりましたね」。
バスルームは“ ホテルのように仕上げたくて”、グレイッシュなトーンとガラスの仕切りでモダンに。
「日常感が出てしまうので、洗濯機を置きたくなくて。冷蔵庫と洗濯機はキッチン横のスペースに引き戸の収納を設けてもらいました」。
細かなところにもこだわった贅沢な空間。だが、家族の贅沢な時間は、屋上のテラスでも繰り広げられる。遮るもののない、空と緑が広がるテラスでバーベキューをしたり、ティータイムを過ごしたり。
「毎朝、鳥のさえずりも聞こえてきて、別荘のように過ごせます。家も暮らしもやりたいことを実現できて幸せですね」。